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これは日々の作業を通して学んだことや毎日の生活で気づいたことをを記録しておく備忘録である。

HTML ファイル生成日時: 2024/12/21 11:44:57.596 (台灣標準時)

「ニュートン」の2021年03月号

大學の語言中心 (Language Center) で、「科學日文」と「科學日文 II」とい う日本語の講義を開講しているので、毎月、電子版の「ニュートン」を購入し て教材として使っている。

数日前に、 2021 年の 2 月号と 3 月号を購入した。来週から始まる学期では 「科學日文 II」を開講し、この講義では 8 から 10 ページの記事を毎週読む ことにしている。 3 月号の「健康のための脂肪と糖の新常識」と「食われる ものの生存戦略」という二つの記事を読んでみた。

「健康のための脂肪と糖の新常識」を読んで気になったこと

「科学的根拠 (エビデンス)」

この記事の最初のページで「科学的根拠 (エビデンス) をあげながら脂質や糖 質との正しいつき合い方を紹介する。」という文がある。しかし、このあとで は、「エビデンス」や「エビデンスレベル 1」というように「エビデンス」と いう言葉が多く使われていて、「科学的根拠」という言葉は少ない。であれば、 「科学的根拠 (エビデンス)」ではなく、「エビデンス (科学的根拠)」とすべ きだと感じた。

「ロカボに関するよくある疑問」について

記事の最後のページに「ロカボに関するよくある疑問」という部分がある。こ こでは、人工甘味料についての内容が書かれている。しかし、本文では、人工 甘味料についてはほとんど触れられていない。本文で取り上げられたことをよ り詳しく解説するような内容であるべきだと思い、違和感を感じた。

また、この部分では、山田センター長が「サッカリンを含め、人工甘味料の危 険性をヒトで証明した研究データは一つもありません。」と主張している。そ して、人工甘味料は安全な食品だと強調しているように読める。しかし、「人 工甘味料の危険性をヒトで証明した研究データは一つもない」ということから 言えることは、「人工甘味料がヒトにとって安全なのか、危険なのか、につい ては、どっちなのかよく分からない」ということだけのはずである。危険だと いう確実な証拠がないことを、安全だと言っていいという結論を導くためにつ かうことは科学的ではないように感じた。

関連して言うと、昨年末に日本国政府の高官たちは、よく「go to travel 事 業が肺炎の拡大の原因になっているという確かな証拠はないと専門家たちが言っ ている」というようなことを言っていた。そして、それを go to travel 事業 を続けることの拠り所としているようであった。しかし、これについても「go to travel 事業が肺炎の拡大の原因になっているという確かな証拠はない」こ とから確実に言えることは、「go to travel 事業が肺炎を拡大させているの か、そうでないのか、については、どっちなのかよく分からない」ということ だけのはずである。「go to travel 事業が肺炎の拡大の原因になっていると いう確かな証拠はない」ことを根拠に、「だから、 go to travel 事業を続け ても問題ない」という結論を導くのはまったく科学的ではないように思う。し かし、このことを指摘していた報道はなかったように思う。ジャーナリストで も、このことを指摘していた人はいなかったように思う。医学関係の専門家た ちも、このことに違和感を感じないのであろうか。

「食われるものの生存戦略」を読んで気になったこと

「どんどん」

115 ページに「これらの擬態も、突然変異でたまたま有毒な生物に似た個体が 生まれて生きのびた結果、どんどん似てきたのだと考えられている。」という 文がある。「ニュートン」の記事に書く文であれば、「どんどん」ではなく、 「徐々に」というような表現の方がよいと感じた。

この部分以外でも、「赤っぽい石」や「ちゃんとした」など、この記事を書い た人は話し言葉で使うような表現を多用しているように見受けられる。

「ぜひ」の使い方について

記事の最後のページの最後の文は、「この記事を読んで進化に興味がわいた方 は、ぜひ身のまわりの生物を観察し、その姿や行動が生まれた背景を考えてみ てはいかがだろうか。」となっている。「ぜひ」の使い方に違和感を感じた。 文の最後が「してはいかがだろうか」なのだから、「ぜひ」は必要なく、「こ の記事を読んで進化に興味がわいた方は、身のまわりの生物を観察し、その姿 や行動が生まれた背景を考えてみてはいかがだろうか。」でよいと思う。「ぜ ひ」を使うなら、「この記事を読んで進化に興味がわいた方は、ぜひ身のまわ りの生物を観察し、その姿や行動が生まれた背景を考えてみていただきたい。」 が自然である。

「健康のための脂肪と糖の新常識」にも「食われるものの生存戦略」にも共通すること

記事の最後の結びの部分が似ている。「健康のための脂肪と糖の新常識」では、 「健康が気になる方はこれを機に、ゆるやかな糖質制限をはじめてみてはいか がだろうか。」という文で記事が終わっている。「食われるものの生存戦略」 では、「この記事を読んで進化に興味がわいた方は、ぜひ身のまわりの生物を 観察し、その姿や行動が生まれた背景を考えてみてはいかがだろうか。」で記 事が終わっている。どちらも、「みてはいかがだろうか。」で終わっている。 この二つの記事だけではなく、他にも多くの記事がこのような感じで終わって いるという印象がある。「ニュートン」編集部の趣味なのかもしれないが、科 学的な文章では記事の内容の特に重要なことに触れて終わるという方が好まし いのではないかと感じた。



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